ルーティンを見直してみる
最近「ルーティン」という言葉が一般化してきていますね。
一言で言えば「日常生活の型」と言うことができると思います。
人の慢性的な症状の原因は「日常生活の型」が主なものだと、患者さんと長く話しながら治療をしていると感じています。(仕事内容や日常生活の癖、食事内容など)
面白い「表」を見つけたので紹介したいと思います。
ルーティンを良くする参考になれば幸いです。
これは「Daily Rituals」というベートーヴェンやモーツァルト、ダーウィンやベンジャミン・フランクリンなどの創造的な仕事をした人たちがどんなルーティンで生活をしていたかがまとめられた本です。
そしてその内容を RJ Andrews という方がわかりやすく表にしたものが以下の「CREATIVE ROUTINES」です。
少しずつ日本語訳をしながら紹介をしていきたいと思っています。
こんな図になっています。
時計に形が似ていますが、24時間が丸ごと入っているので慣れるまで少し違和感はあるかもしませんが。
日本人の平均の仕事時間は8.5時間とされています。
十分な睡眠時間はおおよそ7時間前後です。もちろん個人差はあるのであくまで参考に。
日本人の平均はこのようなものになると思います。
比較してみるとどうでしょうか。
人によっては仕事時間が10時間を超える方も多くおられるようです。
できればこれくらいを目安に、贅沢を言えばもう少しでもゆっくりできる時間、自分の時間が増やせると理想なのかと思っています。
まずは作曲家ベートーヴェンを見てみましょう。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートヴェン
1770-1827 満56歳没
仕事時間と睡眠時間に大差は無いですが、午前からお昼にかけて集中的に仕事をし、終えてからはリラックスしてアイデアを出していたようですね。
毎朝60粒のコーヒー、という記述で濃いのかな?
と思いましたが、調べてみると一杯を飲むのに適当な量の半分くらいの薄いものだそうです。
自分で数えるほどこだわりがあったようです。
味にこだわりがあったと思われます。
コーヒーは昔は体に悪いとされていましたが、最近では飲めば飲むほど体に良い、病気の予防になると言われいますね。
1822年はすでに聴覚障害が発症した後です。また神経性の腹痛や下痢にも苦しめられていたそうですが、ベートーヴェンの場合は聴覚障害は鉛中毒であったと考えられていますし、ルーティンがその病気、短い寿命の原因では無いと考えます。
苦しい中でも作曲活動を続けるための過ごしやすいリズムと言えるかもしれません。
病気や症状に負けずに作曲活動を続け、現代でも聞き続けられる曲を作った非常に立派な生活だと感じます。
次は現代でも心理学の本がよく読まれている精神科医フロイトです。
ジークムント・フロイト
1856-1939 満83歳没
50代の半ばで恐ろしい程の仕事時間です。
ウォーキングの速さが恐るべき速さだったという事からも、とてもエネルギッシュな方だったのだろうと思われます。
晩年は癌という事ですが、それ以外に病気をされていた記述は見つかりません。よほど丈夫だったのか。
憶測ですが使命感を持って仕事をしている方は年をとっても元気な方が多いので、フロイトもきっとそうだったのではないかな、と感じます。